マテリアル先端リサーチインフラとは
Advanced Research Infrastructure for Materials and Nanotechnology in Japan
ナノテクノロジープラットフォームの後継事業として、2022年度よりマテリアル先端リサーチインフラで装置共用が始まりました。ナノテクノロジープラットフォームで培った最先端装置の共用、高度専門技術者による技術支援に加え、新たにリモート・自動化・ハイスループット対応型の先端設備を導入し、装置利用に伴い創出されるマテリアルデータを、利活用しやすいよう構造化した上で提供します。
マテリアル先端リサーチインフラを構成する全国25の大学・研究機関は、それぞれに重要技術領域を担います。筑波大学は、重点技術分野「高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル」を、ハブ機関の東北大学、スポーク機関の豊田工業大学、香川大学とともに、スポーク機関として担当します。
多種多様な材料・構造・プロセスから成る高度なデバイスは、例えばIoT普及のために必須であり、新しい価値と産業の創出につながります。ハブ・スポーク機関の特徴を有機的に結び付けて、機能材料を含む幅広いマテリアルに対応する共用設備群に発展させるとともに、最適な材料・構造・プロセスの組合せ検討に役立つマテリアルデータを収集し利活用できる環境を構築し、最先端のMEMSやパワーエレクトロニクスなど、高度なデバイスのデータ駆動型研究開発に貢献します。
装置例1:デバイスシミュレーター
デバイスシミュレーションは、効率的な研究・開発を推進する上で不可欠です。デバイスシミュレーターはナノデバイスの試作条件の策定に有用なツールですが、その運用には過去のシミュレーションの結果と試作結果の照らし合わせで精度を上げる必要があります。筑波大学にはその両方の蓄積があり、精度の高い支援を行う事ができます。
装置例2:FIB装置
少数のナノ構造体試作支援において、FIB装置はきわめて有効です。北関東地域の民間中小企業を支援するとともに、つくば地区の他機関と連携しながら効率的な運用を行っていきます。